風水の理論
 
 

風水とは?正しい伝統風水の思想からその事例も紹介!

 
風水(ふうすい)とは古代中国の思想によって作り出された環境の吉凶判断するための知識です。間取りや家、お墓、都市などの気の流れを良くする為に、運気の良い環境や間取りの対策を行う思想の事を「風水(ふうすい)」と呼びます。また別名として最初は「堪輿(かんよ)」と呼ばれており、天体の動き、方位と空間、時間の影響から運気の吉凶判断を行う思想を意味しておりました。この思想は古代中国の唐(618年~907年)の時代に、天(時間)と地(方位と空間)が生み出す気の力がどのように相互作用しているか、鋭い洞察と観察力により発展してきました。
 
風水という言葉は聞いた事はあっても、「具体的に気の流れを良くするとは?」と疑問に思われる方が多いのではないでしょうか?本記事では、風水の基礎知識から具体的な本場の伝統風水の事例まで紹介しております。風水初心者の方はもちろん、気の流れを良くしたいとお考えの方にもおすすめの内容になっています。
 

風水とは?

風水(ふうすい)とは古代中国人の作り出した気の流れに関係した思想です。具体的には人がどのような都市や場所を選び、どのような間取りの家に住み、どのようなお墓の位置によって、子孫繁栄や衰退を繰り返すかなどの吉凶禍福を決定するために用いられてきた知識です。

 

日本で風水といえば「気の流れは物の位置で制御する!」という思想がありますが、本場中国では「正しく伝統風水の思想を活用する」により運が花開くことで成功を引き寄せ、子孫繁栄の恩恵があるとされております。また風水は堪輿(かんよ)ともよばれており、天(時間)と地(方位や空間)の影響を考慮した思想でもあります。
 
ちなみに日本での開運風水の法則は、以下の様に知られています。

  • 気の流れを良くするために、掃除をすることで良い気を集めることができます。
  • 玄関には鏡を置くと金運が上がります。
  • 観葉植物は悪い気を吸ってくれ、さらに活気のある気を生み出してくれます。
  • 西には黄色のアイテムを置くことで、仕事運が上げられます。
  • 開運財布を持つ事で、金運を呼び込むことができます。特に長財布は効果的です。

これらの思想を用いて運気をアップしたいとお考えの方は一度、冷静になって立ち止まってください。もし2,000年もの歴史によって伝承されてきた風水の知識が、このような単純な開運の法則だとしたら、この2,000年の間に風水とよばれる思想は、世界中に広まることはなかったでしょう。
 

風水の原点(名称)について

風水(ふうすい)の名称にはいくつかの由来が存在します。最も有力な情報は古代中国の晋の時代に活躍した『郭璞(かくはく、276年~324年)の葬書(そうきょう)』です。彼はその書物の中で、山や水の配置による環境の吉凶禍福について記載しております。そして彼は幸運を呼ぶ場所の定義をこのように記しました。

 

気乗風則散 界水則止 古人聚之使不散 行之使有止 故謂之風水 風水之法 得水為上 蔵風次之
気は風に乗ずれば散じ、水に界すれば則ち止る(途中省略)。故にこれを風水と謂う(以下省略)
(日本では「水に界てられれば」と和訳されますが、水が気の動きを示していると想定した場合、界すればの方が正しいと判断されます)

 

この一説が風水(ふうすい)の原点(名称)であるとされております。古代中国人である郭璞の教えは、ご先祖様の墓地選定を重んじることをまず第一にされておられます。そして地勢を見極める為の知識は一方で「良い気の流れを読み解こう」という試みがなされたことも意味しており、現代の風水の世界でも重要な一説となっております。

 
 
 
 

日本にある興味深い事例

日本中にある建物の中から一つ、郭璞の風水の思想と合致した素晴らしいショッピングモールとして、2015年に開業した「三井アウトレットパーク 北陸小矢部」を事例とします。このモールの素晴らしい点は、その立地条件にあります。先に、ここに至るまで面白い出来事が確認されております。元々この場所には、地元企業である『I株式会社様の旧ブロック工場』がありました。しかしアウトレットパークの誘致にあたり、土地を分け渡すことになり、小矢部市藤森へ移転(2014年9月、再操業)されました。

ですが、ここで疑問が生じます。建築予定地は北陸道の主要道路にあり、交通の便が良いのはわかりますがこの周辺一帯、商業施設を作れる土地は他にも多く存在しておりました。以下をご覧ください。

これだけの土地が余っているのになぜ、I株式会社様の旧ブロック工場を壊し、移転までさせてこの土地を選ぶ必要があったのでしょうか?ここからは、郭璞が残した風水の思想を基に、推測を交えながら話を進めていきたいと思います。
 
郭璞は葬書の中で「気乗風則散、界水則止」と、パワーを受け取れる土地の条件を教えています。ここで重要なのは「水に界すれば則ち止る」の思想です。上空写真をご覧ください。

三井アウトレットパーク北陸小矢部がある場所は、川が2つ合流する場所にあり、風水の専門用語では「水が界する場所」と表現されます。郭璞が残した思想である「気の流れが止まる場所=気の流れが集まる場所」と、見事に合致する土地に建てられた建物であることが分かります。

三井アウトレットパーク北陸小矢部は、風水の基本となる「気乗風則散、界水則止」の思想に従う好立地な吉の条件=パワースポットに存在していることを表しているのです。地元のI株式会社のブロック工場を壊し、移転させてまでこの場所を選択して建設を実施したのは、偶然なのでしょうか。

 

非常に興味深い、日本に存在している事例の一つです。ちなみに、2017年度の三井アウトレットパーク北陸小矢部の売上高は241億円と、人口の少ない地域では好成績を残されております。

 
 
 
 

伝統風水を知ろう!

皆さんは「伝統風水(でんとうふうすい)」という言葉をご存じでしょうか?

 

世界中に風水が広がりを見せる中、良い事も悪い事も発生してしましました。それが「ニューエイジ風水(別名:なんちゃって風水とも呼ばれる、独自によるビジネス的な開運思想)」の誕生です。特徴として理論的な法則性がなく、ビジネス目的の抽象的な表現でされ、人を魅了していくことにあります。そして一番は、非常にシンプルで分かりやすい開運のプロセスです。これにより、ニューエイジ風水は人気を得る結果となりました。一方で、正しい風水が認識され難い状況が生まれてしまい、多くのチャンスが失われる結果を招く結果となりました。
 
人生を力強くするためには、正しく法則を理解して、正しく運用する方法を学ぶ必要があります。それらの思想と区別する為に、本場中国で古来から続く歴代正統派の偉人の方々から受け継がれて伝承されてきた知識・思想の事を、「伝統風水」と呼び区別する事になりました。

 
ポイント
風水は医療に似ています。
患者様に対して診断が必要です。
風水も同じく診断が必要です。
その診断基準として使用される知識が、伝統風水の流派とよばれる思想です。
正しく風水を運用して、人生を力強くするためのプロセスには、流派の歴史や法則を知る事から始まります。
ポイント
 

風水の歴史から正しい法則を判断できるようにする

伝統風水とよばれる背景には古代中国から続く、偉大な風水師による歴史が受け継がれたことにあります。気を読み解く思想は膨大な長い歴史によって、師匠から弟子へと口伝により伝わったとされております。間違った思想を払拭して、正しい風水を賢く活用するには、伝統風水の歴史を知ることが第一のステップとなります。以下に、風水の歴史をまとめて紹介ししております。

 
太古の中国

磁石(コンパス)と八卦の誕生

伏羲(ふっき)と呼ばれる中国神話の偉大なる人物の一人(三皇五帝の一人)。戦争の際に女媧から磁石(コンパス)の技術を教わる。また「先天図(八卦)」を考案した人です。易占いの基礎となる八卦の誕生でもあり、風水の基本となる考えを創造した出来ごとの始まりです。

風水の歴史の始まり

紀元前4,000年前に作られた墓の中に、左に青龍・右に白虎の印が隠されており、その頃から現在の基本となる智慧が確認できます。

紀元前2,700年頃

方位磁石の活用

黄帝(こうてい)とよばれる中国神話に出てくる最高神の天帝が、戦争で勝つ為に九天玄から方位磁石の作り方を教わり、戦争に勝利する。また有名な中国医学の古典である『黄帝内経』を書す。

紀元前300年頃

風水への道

秦の丞相であった樗里子(ちょりし)が、風水師の参考書とも言える『靑烏經』を書し、風水の基盤となる考えをまとめる。ちなみ彼は、軍師的な存在でもあり、様々な戦争において勝利をもたらした人物でもありました。

漢の軍師であった張良(ちょうりょう)が若い頃、黄石公(こうせきこう)から太公望からの兵法書(六韜)を伝授され、前漢の高祖である劉邦を補佐し、漢を創始に多大な貢献をする。

紀元300年頃

風水の原型

郭璞が、有名な陰宅風水の実践向けの書である『葬経』や『山海経十八巻』を著す。風水と呼ばれる原因の誕生です。この頃より、中国貴族の間で、風水が流行し始めます。

紀元700年頃

風水の発展

偉大な風水師、邱延翰(きゅうえんかん)が誕生します。現在の羅盤の基礎となる二十四座山を発明し、当時(唐の玄宗皇帝も認めた人物)は相当な風水の実践家でした。噂では『海角経(かいかくきょう)』と呼ばれる幻の秘伝書を持っていた事でも知られます。ですが、この事が悲劇を生む事になるのです。その力を恐れた玄宗皇帝が強制的に幽閉、殺したとも。そしてもう一つの悲劇。それがこれです。

偽物風水「滅蠻経」の登場!!

約700年前後。遣唐使で有名な、唐の玄宗皇帝が風水学の流通を恐れ、自国で独り占めする為に、当時の偉大な「一行禅行」(僧であり、易学の先生)に、偽物の風水学を渡来人(日本人や朝鮮、モンゴル)に教え始めたのです。有名な、偽風水学の誕生です。ですがこれ・・・残念な事に、中国にも広がってしまったのです。そして、この教えが、現在の何流派なのかが未だに解明されていませんが見解として『八宅派』とも噂されております。

紀元800年頃

風水界のスターの誕生!!

現代で最も偉大な風水師とされる楊筠松(よういんしょう)の誕生です。彼は風水史において最も有名な実践家であり、形勢派・巒体派・江西派等々、多くの流派の元になった人物です。別名「楊救貧(ようきゅうひん)」とも呼ばれ、風水の智識によって、数多くの人々を救済した事で知られた人物でもあります。

もう一人の偉大な風水師と称される寥禹(りょうう)です、彼は幼少期の頃より天才とうたわれ、四書五経に精通しており、巒頭においてはトリックスターとも呼ばれる秀才。楊筠松から秘伝の書である『青嚢秘笈』を伝授されたとされる。

ミニ知識として「楊救貧」「寥禹」「頼布衣」「曾文辿」は、総称して「江西南の四大堪輿の祖師」と呼ばれています。風水が繁栄した時期でもあります。羅盤の発達もこのころだと思われます。

紀元1100年から1600年頃

風水の2大流派

この頃になると、2大流派であり三合派と三元派に分かれるようになります。大きな違いは、「時間」と「方位」の理論の違いで「羅盤」も異なります。

頼布衣(本名は頼文俊)により、三合派の人盤の開発がなされる。その性格は執着なく、乞食のように着の身着のままであった。

明の開国の立役者である、劉基(劉伯温)が誕生。四柱推命で有名な『滴天髄』を著す。

除試可が誕生する。『地理天機會元』の編纂に携わる。

紀元1700年頃

風水の大発展と玄空飛星派の発端

玄空飛星派の礎を築いた事で有名な「蔣大鴻」が誕生します。彼は無極子(むきょくし)に出会い、玄空派の礎を築いたとされる高名な風水師です。著作として「地理辮正」を発表しております。その中で、『三合派』を非難し『三元派』を支持した事でも有名な風水師でもあります。

その弟子として姜垚(きょうぎょう)がおります『別名;姜如臬』。彼は堪輿学家としても有名で、『青嚢奥語』などを著す。

そして章仲山が誕生します(別名;無心道人)。彼は蔣大鴻の風水学を大成した事で有名で、「陰陽二宅録験」「二宅玄機」等の書物を著した事でも有名です。斉号「千墨庵」とも呼ばれています。もちろん、玄空飛星派風水の実践家でもあります。

~紀元1900年頃

玄空飛星派の広まり

現在の玄空飛星流派の実践と理論を明確にした「沈竹礽」が現れます。彼は玄空飛星風水の研究に費やし、作用を調査し、説明した人物です。彼もまた、『三合派』を非難した人物でもあります。彼は元三合派の風水師でした。ですが、理論と実践が合わない場合がある事に気付いた人物でもあり、その為「玄空飛星派」の研究に没頭した事が「沈氏玄空学」の書物の発表に繋がります。

 

風水とよばれる思想は、長い歴史によって現代に受け継がれた門外不出の法則の教えでした。その法則を正しく運用するには、正確な気の流れを読み解くプロセスが必要です。歴史が教えてくれるように、その思想の違いにより、人生を成功や繁栄へと導くプロセスにはいくつかの方法に分類されております。その背景を知ることで不明瞭な開運学の罠にはまらないことが、運気をアップさせるための第一歩です。

 

2つの大きな思想の違い

伝統風水を知るにはまず、大きく2つに分けられた思想を知ることが大きな一歩になります。以下にその内容をご紹介しております。

 
巒頭(らんとう)風水

目に見える環境デザインや内部インテリアから、気の流れを調節する思想(別名:山脈や川の流れを重要視することから山水形勢派とも呼ばれる)。四神旺相の基本構造となる思想から、気が集まる地理五訣の概念・尋龍點穴の教えまで幅広く周辺環境の吉凶禍福を理論化した風水です。

理気(りき)風水

目に見えない運気の流れを計算する事により特定を行い、その運気を方位や物の配置により調節する思想(別名:コンパスを用いて方位を重要視することから羅盤派とも呼ばれる)。理気には数多くの流派は存在しており、大きく2つの分類に分かれております。古典中国の代表となる三元派三合派から始まり、細分化して玄空飛星派八宅派などに分かれております。これらはともに羅盤の方位を用いて、各々異なる公式の計算方法により気の流れを見つけ出し、運気の調節を行う風水です。その他にも「奇門遁甲」などの思想もあります。

 

この2つの区分は別なようでも伝統風水では共に重要な運気の調整方法で、気の流れを良くするための最終目標(例:金運を上げたい等)に繋げる為の重要な手段として共に知識が必要となります。

 
 

日本の開運学と世界のニューエイジ風水を知る!

当事務所を立ち上げた2009年当時、その時代はまだ「伝統風水」が現在のように広く知られていませんでした(2024年記載)。それには理由がありました。

 

当時の日本では『風水といえば鬼門、西に黄色のアイテムで金運がアップ』が有名であり、正しい風水は残念ながら家相学や九星気学の知識と同じであると勘違いされてきた経緯があります。下記にてその代表的な思想をご紹介していきます。

 
 

『鬼門の北東方位』には注意!?

風水を知らない方でも『鬼門』の言葉はご存じだと思われます。家相学の教えでは、間取りの中心(太極)からみて北東の方位は『鬼門』と呼ばれ、「玄関、トイレ、キッチン」を配置する事で禍を招くとされる凶方位とされる思想です。
残念ながら鬼門は正しい風水では使用しないのが、常識とされております。

 
 

『方位とラッキーカラー』で運気アップ!?

お手軽に運気をアップさせる方法として、開運カラーがあります。ニューエイジ風水の思想では、東西南北によって方位ごとに運気の意味が異なります。その異なる方位ごとの意味に合わせて色を使い分ける事で、良い気を呼び込む方法です。以下に開運カラーと方位の関係をまとめております。

 

方位 五行の意味 ラッキーカラー 運気の暗示
火の五行 赤、光るモノ 美容・人気運
南西(裏鬼門) 土の五行 茶や橙 健康・家庭運
西 金の五行 黄・ピンク  金運 
北西 金の五行 ベージュ  出世・社会運 
水の五行  アイボリー 恋愛・出会い運 
北東(鬼門) 土の五行  白 健康・金運 
木の五行  青、水色 仕事・発展運 
南東 木の五行 緑  仕事・出会い運 

 

また開運カラーを間取りのインテリアや常に持ち歩くアイテムに取り入れることで、そのパワフルな気の影響を活用することがニューエイジ風水では可能とされております。以下に色と運気の関係、その意味をまとめてご紹介しております。

 

色の種類 五行 象意 運気
木の五行 信頼 仕事運
火の五行 栄華・活性 人気運

土の五行

金銭 財運
金の五行 回帰 向上
水の五行 魔除け 金運 
木の五行  癒し 健康運 
ピンク 火の五行  運気の向上 恋愛運 

 
 

世界に広がったニューエイジ風水の代表格

日本でも有名になった思想として、黒帽派(日本の一部の方は、玄空八卦派との別名)が知られています。特徴として8つの方位に運気が区分けされ、その気の流れを強めることで、運気アップを実施する思想です。簡単には、家の間取りを8方位に区分けして、その方位に流れる運気と玄関との相性により、求めるパワーが獲得できる非常に簡単な法則です。誰でもすぐに開運ができる素晴らしい初心者向けの教えでした。以下に方位とその気の流れをまとめております。

 

方位 五行 運気
火の五行 名声・名誉
南西 土の五行 結婚
西

金の五行

子供
北西 金の五行 友人(後援者)
水の五行 職業 
北東 土の五行 知識 
木の五行 家族 
南東 木の五行

 

上記にまとめた方位に、玄関を設置することで、望みのパワーを獲得することができることから、エイト・ライフ・スピレーション(人生の8つの望み)ともよばれる運気をあげる運用方法です。この流派はその他にも鏡、水晶、竹笛、赤い紐、蛙(金運の象徴)、ひきゅう(古代中国の伝説霊獣)、猫の置物を方位に合わせて設置することで、気の流れを調節する方法がしられています。特に有名なのは、「鏡は悪魔を退散させる」「北に置かれた水槽は商売繁盛」「金属ベルを入口に飾れば喜びと幸福を招き入れる」などが、この流派の代表的な開運方法です。

 

ここで正しい風水の見分け方

 

ここで紹介しました内容は、古代中国の思想である伝統風水の法則に従っておりません。気の流れは固定的に東西南北の方位によって決まらず、公式の計算式によって、幸運などの目に見えない運気を見つけ出していく必要があります。正しい風水の見分け方の一つとして、参考にしてください。

 
 

伝統風水のメリット・デメリット

金運等の気の流れを重要視される方にとって伝統風水は魅力的です。ですが一方で、もちろんメリット・デメリット両方あります。下記にて、両方の詳細をまとめてご紹介しています。

 

3つのメリット

①現在の運気の状況が高い確率で診断できる!
伝統風水の最大のメリットは、気の流れ(例:幸運や不運がどの方位にあり、それがいつまで続くか)が理論的に分かることです。通常、気の流れを一般の方が的確に鑑定することはできません。ですが巒頭風水(目に見えない気)と理気風水(目に見える気)の2つの思想により、理論的に良いか悪いかを判断することができます。

 

巒頭風水の場合は現在のお住まい、もしくはご使用されている建物の土地環境の「見える道の形や周辺環境」の状況から、そこに住む人に与える影響が良いか悪いかを判断する事が出来ます。その気の流れから、伝統風水の思想を基に、診断を実施することができます。

 

理気風水の場合は「目に見えない風水」を理論的な公式を用いて計算する事により、運気の特定(幸運の方位など)を行います。そして建物との相性を診断する事により、鑑定を実施することができます。

 

この際に伝統風水の優れた点は、ニューエイジ風水(別名:なんちゃって風水)で見られる「アイテムさえ買えば、どんな家の間取りや土地でも変更なく良くできる!」といった、安易な診断ではないことが特徴です。歴代の風水師によって受け継がれた思想を基に、高い確率で気の流れを読みとり、吉凶禍福の診断を実施できることにあります。これにより、未来の運を切り開くための手段に繋げることができることです。

 
 

②伝統風水を知る事で、なんちゃって風水を予防できる!
伝統風水の優れた点は、古代中国よりの思想が完璧に完成されていることが挙げられます。そのために「伝統風水」と「なんちゃって風水」の2つには大きな差があります。それは明確な理論と公式な計算式があるかないかで分けられます。

 
伝統風水

歴代の風水師によって知識が伝承・系譜が残されており、その理論と計算式を含めた知識は中国の古典書物により明記されている。その知識は、有名な風水師の先生方によって講義・伝授され受け継がれる。

なんちゃって風水

知識の伝承・系譜といった歴史的な背景が一切、確認されておりません。風水は古代中国の思想のため、必ず歴史的な背景や伝承があります。しかしなんちゃって風水とよばれる開運学系には、その正式な理論や計算式は確認されず抽象的に運気がアップするとしか表現されません。

 

正しい伝統風水を知る事で、ニューエイジ風水に惑わされない正確な判断基準を持つことが出来るようになります。それにより、無駄な時間を費やす必要がなくなり、幸運を得る機会が期待できます。

 
 

③知識が将来の運を切り開く資産になる
風水とは古代中国の思想であり智慧ですので、一度知ることで得た知識やノウハウは半永久的に残り、自分の将来の運を切り開く為の資産として活用できます。正しい理論や計算式を活用する事で幸運や不幸を見分けることができ、自身の未来を良くすることにつながります。これは非常に要な事で、世界中のセレブの方々やグローバル企業の風水コンサルティングの採用の事実が、正しい事を物語っております。

 
 

3つのデメリット

①効果には個人差がある
風水は実施してすぐに目に見える成果が出る保証はありません。物の配置を変えるだけで効果がすぐにみえる人もおられれば、気の流れを変更したり、運気の調節を実施しても、なかなか効果がみられないこともあります。古代中国の思想として、この様な教えがあります。

 
  1. 命(個人の能力)
  2. 運(運勢の吉凶の流れ)
  3. 風水
 

人の運に影響するものとして3つに分類されております。ここで重要なのは「運と命の2つ」とされており、これは個人の運がまず大事であり最も大きな影響力であることを示しております。そのためにどうしても、『個人差がある』事を教えてくれています。

 

これは予備校の状況とも良く似ております。『東大合格率No.1』をテーマに掲げて多くの受験生が予備校に通い講義を受けます。講義の内容は全員同じことが伝授されます。しかしその受講生の全員が東大に合格することはありません。なぜでしょうか?『個人差がある』ことが原因だからです。『運気を引き寄せられる人、運を引き寄せられない人』の差がありますため、100%風水だけで効果を期待したいという場合には不向きかもしれません。

 
 

②伝統風水は非常に難しい
大きな特徴に、伝統風水はすぐには実施できないことが挙げられます。風水というと「東西南北の方位に合わせて、色のアイテムや物を置くだけで運気がアップする」と思われますが、実際はそこにたどり着くには多くの基礎知識と計算式(運気を見分ける方法・公式)が必要になります。気を分析するための講義を受講した上で、勉強と経験が必要になることを意味しております。

 

一般の方が想像されるような『東西南北の方位ごとに金運や仕事運、恋愛運』があるわけではありません。これが日本に正しい伝統風水が浸透しないデメリットと考えられます。そのために講義や勉強を行う必要が無い、すぐに気の流れを調節できる「ニューエイジ風水(なんちゃって風水)」に人気が移ってしまう傾向にあります。

 
 

③間違った風水を行って運が落ちる恐れがある
風水で効果を上げるためにはまず、正しい専門知識が欠かせません。ご紹介しました『巒頭(目に見える風水)』と『理気(目に見えない風水)』はともに性格な判断を必要とします。しかし独学や直観により正しい知識のないまま行った施策が、逆に不運を強化したり、金運を弱めてしまう場合があります。一度起きた不幸は、元に戻す事はできません。せっかく時間をかけて積み上げたにも関わらず、逆に一気に運を落としてしまう恐れあります。

 

安全に風水を運用するためには、正しい知識を身に付けることが求められます。運の向上を目指されておられる初心者の方は、ぜひご注意ください。

伝統風水を実施する上で知っておくべき3つのこと

土地や建物に流れる気を正確に見つけだし、幸運などの運気を調節するには、正しい風水を実施することで可能となります。そのためには土地を評価し、運気を計算し、正しく風水を利用することにより決定されます。今日では、中国をはじめとするアジアだけではなく、欧米にも広く浸透しております。その背景として伝統風水は、非常に有用でありパワフルな技術であることが挙げられます。ここでは実施する上で知っておくべき基本の3つのことをご紹介しております。

 
 

①運気は土地で70%が決まる

古典風水の書物で有名な『葬書(晋代の郭璞(276~324)の著)』が示す通り、「気」を生み出すのは土地や周辺環境であり、その条件が揃う事で吉凶禍福が決定します。この技術は巒頭(らんとう)と呼ばれ、土地や周辺環境の評価をします。目に見える物体、山や川、建物の間取りの形、家具やインテリアの造形の全てがこれに当てはまります。これが風水の基本条件となる教えです。吉兆の条件を備えた場所に建物やお墓を建てることで、幸運を享受できる状況を演出する必要があります。

 

そして重要なのは、「気」は土地の吉条件によって生み出され、土地の凶条件によって「気」が殺されてしまうということです。「気」が生み出されない土地には、良い気の流れは発生しません。幸運は「気」によって生み出されることは明白ですので、「気」を生み出してくれる土地は風水の最重要項目なのです。

 

これが『運気は土地で70%が決まる』といわれる理由です。

 
 

②流派が存在し、答えは一つではない

目に見えない気の流れは公式の計算を行うことによって、運気を特定する必要があり、その技術を『理気(りき)』と呼びます。これは例えるならば、病気の患者さんを正確に診察するためには、診察の基準となる知識が必要となるのと同じで、伝統風水を実施する上ではかかせない重要な作業です。
 
しかしこの計算方法は風水の言葉が誕生して1,000年余りの間に、いくつかの公式、判断基準が誕生しました。現在では流派として分類され、運気の特定方法はその流派によって異なります。間取りと方位の関係から、化煞とよばれる気の調節方法まで、大きく異なることが特徴です。ここでは一部ではありますが、風水の流派についてご紹介させて頂きます。

 

巒頭派

風水の元祖理論が、巒頭の教えになります。形勢はともよばれ、全ての風水診断において、基本となる思想で、目に見えるモノ全ての環境(基本は土地)が、吉凶の気を生み出すことを教えてくれます。風水の原点は「お墓探し=陰宅」にあり、良い場所にご先祖様のお墓を建立することにより、祖先からの良い幸運なご利益を受けられ、子孫繁栄をもたらすと考えから派生します。

巒頭派では山と水との関係がとても重要で、有名な診断方法として以下にご紹介しております。

 
証穴法

朝山証穴、楽山証穴、龍虎証穴、纏護証穴、明堂証穴、唇氈証穴、水勢証穴、天心十道などから構成され、その証穴(正しいパワースポットである証明をする方法)を行うことで、良い気の流れを受けとるための思想の一つ。

地理五訣

偉大な風水師である趙九峰によって示された吉条件の思想で、「龍」「水」「砂」「勢」「穴」の5つの条件から構成され、山と水の形勢から、風水的な吉条件の診断を実施します。これにより、幸運な気が流れつく場所を発見する教えです。

地理七訣

先程の地理五訣に加え、「脈」「気」を加えた思想です。巒頭の基本は、龍穴の診断にあります。そのエネルギーの発端は「山脈」であり、「気脈」とも言えます。ご先祖様を埋葬する場所の気は、気に満ち溢れ、大地から多くの気を受けられる吉相であることが重要である判断、診断基準の教えです。

 
三合派風水の説明コーナー

三合派

古典風水の代表として有名で、最も多くの理論と、最も長く使用された流派です。風水=三合派とも言われ、三元派と並び、風水の二大流派の一つとされます。大きな特徴としては、羅盤(らばん)にある3つの環(地盤と人盤と天盤)を用いて、周辺環境との気の流れを調節する三才(天地人)の調和の方法があります。例えば水の流れと周辺環境(方位)の相性により、吉凶禍福を調節する水法など、その他にも数多くの思想が知られております。

 
人盤の消砂五行

人盤は、偉大な頼布衣により発明された環(羅盤の二十四方位)で、地上の物体の方位を天文学の惑星に変えて五行を導き出し、周囲の吉凶を見る思想です。

五鬼運財水法

古典風水で有名な思想で、五鬼の力を門にし、巨門を水にする開運法です。金運アップの効果がるとされております。

龍門八局水法(坤乾国寳)

台湾で人気のある風水の水法。来る水(道)=来水とし、水が去る=去水とします。この水の流れを八卦に照らし合わして、吉凶判断を行います。

黄泉八殺

黄泉八殺は八曜煞とも呼ばれるもので、張九儀が著した「地理鉛彈子」の詩訣に出てくる坎龍「辰」、坤兎「卯」、震猴「申」、巽雞「酉」、乾馬「午」、兌蛇「巳」、艮虎「虎」、離豬「猪」の一節からきており、剋す方位を示した詩で、日本でいう鬼門のような方位を示します。

三合水法(双山) 

家の水(道)が、どの方角に流れることで幸運をもたらすかを計算します。三合水法の特徴は、陽の場合は時計回り、陰の場合は反時計回りで吉を招くとされます。羅盤にある天盤の環を使用して吉凶禍福を調節します。

黄泉水

基本の思想は、旺の方位へ水が去水する場合は凶となります。水が凶となる方位に流れる事で、運気が低迷する暗示となります。

些子水法:超上級水法

特徴は天と地の水の流れを読み、そこを使用する人に与える吉凶を判断・調節する手法です。水は気を運び、その気は土地に多大な影響を与える。この影響を操る事により、パワフルな運気を調節する超上級の水法術です。

九星水法:浄陰浄陽

水法は家の向に対して、吉となる水を探す為に発明された手法で、「納甲表」と八卦の卦の交換から導き出してくモノです。吉方位(貧狼・巨門・武曲・左輔・右弼)を特定し、良い水の流れを用いる技法です。これらに相当する卦は全て、陰なら陰。陽なら陽となる事も証明されます。

九星理気:室内の吉凶判断

貧狼と巨門と武曲と佐輔と右弼星=吉、禄存と文曲と廉貞と破軍=凶、間取りの吉凶を判断する際に、九星が応用されます。地盤:二十四座山を基に、間取りの相性を判断していく技法です。風水の鑑定対象としては『玄関やトイレ、神棚・寝室』、家の座を元に方位による影響を調査します。

 
三元派風水のコーナー

三元派

土地環境と時間に重きをおく流派であり、陰宅風水における雄となる二大流派の一つとなる古典技術です(陽宅でも使用可能)。その特徴としては「龍と水、向と山(と峯))」にあり、環境の方位と「二元八運」と呼ばれる時間軸から最適な方位を特定し、気の流れを吉兆へと向かわせる思想です。

八卦の図

 
この派の特徴は、「六十四卦」を採用していることです。六十四卦は大きく「上元」と「下元」に分かれております。この際、「二元八運説」による時の影響を考慮します。以下に、その理論の一部をご紹介しております。

 
二元八運説

時間の影響を180年で一区切りとして、その時間を2つに分類して「上元」「下元」として、さらに8運に分けた時間を単位を示します。この時間の単位を基本として、吉兆の時間と方位を用いる事で、吉凶禍福を調節する基準とします。

六十四卦と卦数

六十四卦には数字=卦数があり、吉凶を暗示する時の影響であり、個人の卦でもあります。羅盤には方位と六十四卦が記載されており、この方位を細かく使い分ける事で、風水パワーを獲得することを基本とします。

河図と古代数字

河図とは古代中国で伝わる古代数字の一つ。1~9の数字の組み合わせにより使用されるもので、河図の理論(+5の関係)をもとに五行を算出し、数字の相性から、幸運をもたらす龍のエネルギーの方位と家・墓の向きを調整します。

九運数の星運と八卦の関係

六十四卦に九星数が不随します。六十四卦が持つもう一つの吉凶を占う思想です。旺(吉)方位を調査するだけではなく、九星数の影響を採用することで、良い気の流れを引き寄せます。

六十四卦と384爻

三元派はさらなる細かい角度を必要とします。六十四卦をさらに5.625度単位まで吉凶を分けており、吉方位を強化します(「抽爻換象」と呼ばれ、全部で384の線(爻)を求めて吉凶が計算されております)。これにより、最も良い旺(吉)方位を特定する理論です。

 
玄空飛星派風水のロゴ

玄空飛星派

現代の理気風水における代表的な世界的に有名な流派です。別名をフライングスターともよばれ、大きな特徴としては「二元八運」もしくは「三元八運」の時間軸により、時間が気の流れを支配し、吉凶禍福を決定することです。人に運勢があるように、風水にも運勢があり、その運の流れを読み解くことで、運気アップへのプロセスを運用します。以下に、その基本的な思想内容をご紹介しております。

 
飛星チャートの存在

方位を9つに分類し、9つの数字をそれぞれの方位に入力します。この9つの数字から運気の計算を行い、方位ごとの吉凶を診断していきます。玄空飛星派の基本となる思想です。

飛星図

九星気学にも似ておりますが、大きな違いは「方位と時間の変化」を重視していることにあります。人生の波があるように、風水の気にも波ががると考え、その時間的な変化、運気の波の吉凶禍福を捉えることで運気アップを実施します。

三元九運説

紀元前2,637年、黄帝によって発案された時を知るシステム『三元九運』。玄空飛星派の時間の基準です。時間の影響を180年で一つの区切り(太陽系の惑星の全てが一直線になる。最近では1982年にそれに近い現象=惑星直列が起き、今度は2162年だと推測)、さらに3つに分類して、「上元」「中元」「下元」にします。さらに20年に分けた時間の単位が、運気の吉凶を左右する思想です。 

洛書と神秘の飛星チャート
チャート

九数図(飛星チャート)とは、特別な数字配列を示した暗号で、どこから足し合わせても「15」になる秘数として有名です。古代中国においては戦争で利用された思想で、この数字配列を基に、家の間取りの気の流れを計算し、人生をより良くするためのアドバイスが実施されます。

 
八宅派のロゴ

八宅派

2,000年頃に世界中に広まり、一時期は風水と言えば八宅派と言われるほどに知られる程に有名なった流派です。大きな特徴は宅卦と命卦によって東四命と西四命に分類され、運気の相性をもとに気の流れを調節する流派です。ただ当事務所では、『滅蠻経(偽風水の知識)』の流れをくむ可能性が指摘されており、採用を控えさております。

宅卦の画像
※『滅蠻経』とは唐の玄宗皇帝(685年~762年)の時代、一行禅師(真言八祖の一人)に本物の風水の知識が海外に奪われないように作らせた偽風水の教え。これにより、現代の風水が混乱を招くきっかけになった有名な風水史。
 
ポイント

建物の間取りに流れる金運や幸運といった運気の方位は、この流派の違いによって、全く異なる仕組みになっております。伝統風水には数多くの情報と計算式(ノウハウ)が存在しており、その中から正しい方法を取捨選択することにより、知りたい運気の情報とその解決方法が求められます。

ポイント
 

③インテリア風水だけでは、運気は上がらない

インテリア風水とは、物の配置だけで気の流れを調節しようとする思想です。大きな特徴としては「土地環境は関係がありません」、「いつの時代に建設された建物や間取りでも関係ありません」、どのような土地、建物、間取りでも運気の調節は可能となるマジックのような思想です。まさに「相談者が求めている利便性の高い都合の良い風水」といえる思想です。

 

伝統風水とインテリア風水の大きな違いは、土地環境の調査&流派による公式な計算を行って気の流れの評価を実施しているかどうかにあります。間取りの風水鑑定を行う場合でも、方位と運気の関係を調べるには最低限でもGoogleマップによる土地環境と信頼性が高いノウハウ(正統派の風水流派)を基にした情報判断が必要になります。この2つの項目は必須の実施内容となります。

 

インテリア風水の思想は非常に簡易的であり、どのような間取りでも「物さえ置けば、すぐに運気がアップできる!」、「誰でも簡単に開運できる!」ようになっております。今の皆さんでしたら、どの方法が正しい風水の実施方法であるか、すぐにお分かりいただけるかと思います。

風水で気の流れが調節できる5つの基本の仕組み

伝統風水の思想は、傾国の美女として有名な楊貴妃が活躍した古代中国の唐(618年 - 907年)の時代に発展し、各々の流派も唐の時代には存在していたと考えられております。その際に気の流れを調節する基本の仕組みとして、「陰陽」、「五行」、「二元八運(三元八運)」などの理論が取り入れられたと考えられます。これらの思想は古代中国の哲学であり、宇宙の秘密を表現した学問でもあります。風水はこの思想を用いることにより、初めて複雑な運気を調節できるようになるのです。

 
 

①陰陽

陰陽(いんよう)とは、古代中国の思想を代表する教えです。宇宙の起源と開始を示しているとも言われており、この世の森羅万象を表現したモノとして考えられます。陰(いん)は陽(よう)は対立する属性の気でありながら、互いに領域に溶け合うように存在しております。有名な太極図でも陰の中に陽があり、陽の中に陰があり、完全に分裂していないことが表現されています。陰陽はこの世を構成している万物の基本的性質の象徴とされております。風水ではこの陰陽の関係を用いて、土地環境、建物、間取りの吉凶禍福を決定したり、気の調節に利用します。

 

②五行

五行(ごぎょう)とは古代中国の自然思想の一つで、基本の元素となる「木、火、土、金、水」の5つの属性から構成されます。この教えは世の中の全ての出来事や物、方位は5つの五行(属性)に分類されることを示しております。この五行は気の流れを扱う上での基本の理論であり、目に見えない運気や目に見える環境ともに、大きく5つに分類されます。風水の鑑定ではこの五行の関係を用いる事で、運気の評価基準、気の流れの吉凶禍福の判断、金運や幸運を強めたり弱めたり等の行為が決められます。

 

③八卦

風水の八卦

易学において使用される六十四卦の元となる八卦です。風水の羅盤においても、コンパスのすぐ近くに配置されています。これは、この記号自体が磁石の力を保護する力があるとされ、自然の力を象徴した者として扱われているからです。また其々には意味があり、この考えが八宅派に応用されたモノと考えられます。ちなみに、八卦には2種類あります。

  • 先天図=紀元前4,500年頃に、伏羲によって考案された最初の八卦であり、中国の大地と環境を示したモノです。その為、一番上(南)に天を示す乾宮が来ています。
  • 後天図=紀元前1000年頃に、周の文王によって配置が変えられたモノです。彼は八卦を季節に置き換え、一番上(南)に火を示す離宮を持ってきました。これが、今の八宅派の考えの基本です。この後天図が家相盤の基本位置です。

ちなみにこの八卦、記号で陰と陽を示しているのが特徴で、直線が陽。点線が陰を示しています。

 

④二元八運(三元八運)

古典風水の流派の中に、三元派と玄空飛星派があります。この流派の基本原理は「時間の概念」であることです。人が時間による運勢の影響を受けるように、風水も時間の影響を受けることを基礎にしています。古代中国の時間のシステムとして『二元八運(三元八運)』があります。大きな分類として、以下に紹介します。

 
二元八運

180年の周期が一区切り。1運から4運を上元、6運~9運を下元とする時間軸。この時に運は、18年~26年の間で陰陽別に不均等に区切られる。この説では、5運は存在しない。

三元八運

180年の周期が一区切り。1運から3運を上元、4運~6運を中元、7運~9運を下元とする時間軸。この時に運は、20年毎に均等に区切られる。この説では、5運が存在する。

 

ともに「運」とよばれる時期が重要な時間軸となり、金運や幸運などの吉凶を左右します。この時間の変化によって風水の運気の性質、吉凶判断は変化することを示しており、この時間軸による評価基準を利用して気の流れの調節を行います。風水は天文学の一つであると考察される所以でもあります。

 

⑤風水の技法の活用

上記の基本となる風水の仕組み以外にも、秘密の方法があります。それが「技法」と呼ばれる技の数々です。古来より風水は秘密の教えとされ、一子相伝(いっしそうでん)により、そのノウハウは非公開とされてきた歴史があります。その為、正しい風水を学ぶことは至難の業でした。ですが現在では多くの流派の内容が公開されており、将来を明るくすための本当に価値のある方法が知られるようになりました。有名な技法として、以下の教えがあります。
 

  • 五鬼運財
  • 龍門八局
  • 旺山旺向
  • 三盤卦
  • 合十
  • 五鬼城門訣
  • 格局
  • 入囚の解放

 
重要なのは先程にご紹介しました基本の仕組みを理解した上でさらに、これらの技法を組みわせることで、より良い運気を生み出すことにあります。
 
風水で気の流れを調節するには、最低でも4つの基本理論を知ることが重要になります。特に有名な「陰陽五行」の仕組みは基本中の基本となりますので、暗記されますことをおススメします。

風水で良い気を生み出すために必要な対策

幸運な運気を享受するために必要な項目は、重要度の高い順に以下のように分けられます。
 

  1. 凶相の評価がほぼ無い土地を選ぶ
  2. 周辺環境と運気の相性が良いこと
  3. 伝統風水の基準に沿う金運や幸運の方位と間取りの相性評価

 
ここでは、具体的な風水対策で、良い気を生み出すために必要な3つの項目に沿って解説します。
 
 

土地の吉凶禍福の評価

良い気を生み出すためには、悪い気・良い気を見つけて、正確な土地の吉凶判断を行い、正しい周辺環境の評価を行う必要があります。
 

①凶相の回避

土地選びの際に、気の流れが良い場所の条件として、絶対に凶相がない土地を選ぶことが風水の第一目標となります。具体的には、伝統風水で凶相となる環境のチェックを行うことです。下記項目にて4つの凶相があてはまっていないか、確認してください。
 
T字路の突き当りの土地になっていないか?
これは有名な「T字殺(Tじさつ)」とよばれる凶相を示している土地環境です。ご自身の土地に向かって道が突き刺さるような気の流れは、悪い運気を生み出すことを暗示しており、風水対策において重要な問題を引き起こすとされますので修正が必要となります。「T字殺」の方位に五行の理論を用いる事で、効果的に悪い気の流れを弱めることが効果的です。また、「射や遮(しゃ)」と呼ばれる方法もより効果的です。
 
周辺に「殺(さつ)」の影響はないか?
建物の角がご自身の土地や建物に向かって突き刺さるデザインを、伝統風水では「殺(さつ)」とよびます。この土地環境は最も忌み嫌われる評価基準で、避けるべき対象となる凶相の土地です。特に建物の正面に突き刺さる角は運気を下げるとされ、不運をもたらすとされますので、優先的にエクステリアなどに細工を行うことで、悪い影響を弱めるようにしましょう。有効な手段として、壁を工夫して対処を行うことが対策の一つとなります。
 
見晴らしの良い崖の土地を選んでいないか?
人気の高い土地として、崖地があります。町一帯を見渡せる景観を求めて購入される方がおられますが、風水では有名な「懸崖屋(けんがいや)」とよばれる凶相の一つです。景色のよい土地は、良い気を生み出す!と勘違いをされてしまい、知らない方が多く、安易に手を出されてしまう場合が多いのですが、対策は購入しないことです。一時的に金運がアップする可能性がありますが、比例してその他の運が下がる可能性がありますので、注意が必要な土地の代表例です。
 
行き止まりの土地を選んでいないか?
分譲地にある行き止まりの土地は、「死巷屋(しこうや)」とされる危険な環境の一つです。気の流れが停滞する悪い土地環境を意味しており、運気に良くありません。風水で良い気を生み出すためには、気の流れが常にきれいに流れることが重要です。行き止まりの土地の場合、運気も行き止まりとなり、気が死んでしまいますので、このような土地は購入しないことが対策となります。
 
風水で凶相の土地は、非常に多く存在します。その中でも上記の4つは特に気の流れが良くない避けるべき土地環境です。そして大きな問題点は、建物の間取りやエクステリアは自由に変更ができますが、土地環境は変えられないことです。一度、購入してしまうと手が出せない場合がほとんどです。安易にこのような土地を購入するのはやめましょう。
 
 

周辺環境と運気の相性

風水の効果を最大限に活かし、運気を上げるためには、以下項目に順番に挙げられます。

  1. 金運や幸運の気の流れと、周辺環境との相性が良いことが優先です。
  2. 流派の計算によって導き出された、良い風水プログラムが働く事が次に重要です。
  3. 運気の入口が最適な方位である事も重要です。

風水の気は土地環境が生み出しますので、絶対的に運気と環境との相性が良いことが、金運や幸運を効果的に発揮するための有益な条件とみなします。目に見えない運気と目に見える環境の2つを抑えて、量と質両方を兼ね備えることで風水の運気アップが見込めます。この際、良い気を生み出すために、下記の3点に注意しましょう。
 

①土地に凶相が無いこと

先程もご紹介しました凶相の条件は、気の流れを悪くしてしまう効果があります。良い気を享受したい場合は必要最低限、「T字殺」や「殺(角)」の凶環境がないことが必要となります。特に、玄関の正面に「殺(角)」が突き刺さる凶相は、災いの意味があり要注意です。このような場合の風水対策としては、金属の風鈴を玄関先に飾ることで対処を実施することが有用な対策です。
 

②古代中国の伝統風水による計算で幸運プログラムが採用ができ、周辺環境と相性が良いこと

目に見えない運気は古典風水の公式な計算を行うことで、建物や間取りのどの方位(東西南北の方角)に幸運や不運が巡るかを割り出していく作業を行います。この計算は流派別に吉凶禍福の分類がなされることで結果が異なるため、初心者の方はその結果に迷われる可能性が高いので注意しましょう。例えますと現在、世界的に一般的な風水流派として採用されつつある玄空飛星派の場合は、「旺山旺向(おうざんおうこう)」や「双星会向・山(そうせいかいこう・ざん)」の幸運プログラムを採用できることが好ましい条件となります。
 
そしてもう一つ重要なのは、環境と角度を合わせる必要があります。特に運気の入口は、周辺環境と建物や間取りに左右されるため、
 

③運気の入口が最適な吉方位、環境であること

運気の入口とは玄関のことではなく、周辺環境でつくられた風水の気が、最初に建物(間取り)に入り込む方位(東西南北の方角)のことです。風水師が羅盤を用いるのは、この運気の入口の角度(360°の方位)を計測するためです。この方位が運気のプログラムを作り出し、吉凶禍福を決定する重要な角度のために『運気の入口』といわれるのです。これは重要な作業で、良質な気の流れがある一方で、悪質な気の流れもあります。
 
例えば玄空飛星派の場合は、「上山下水(じょうざんかすい)」とよばれる不運プログラムが凶暗示となり、住む人に風水的な悪影響を及ぼします。このような不運プログラムを回避するには、幸運をもたらしてくれる最適な角度(360°の方位)から、運気の入口を選ぶことが最善の対策となります。
 
 

運気と間取りとの相性は重要!

計算された金運や幸運の方位が適切な間取りと合わせていないと、重要な気の流れが壊されてしまい、正しく使いこなすことができません。風水には多くの対策項目がありますが、本記事では、風水間取りにおいて特に重要な項目に絞って紹介します。
 

金運の方位は活動的に配置する

金運は建物を使用したり、住む人に強いエネルギーの気を与えてかつ、風水の評価でも重要視されている方位のひとつです。実際の金銭面にも影響する部分ですので、以下の項目を押さえて、パワフルな金運を活かす配置を行うことが重要となります。

  • 金運の方位は必ず気が活発な動きをする玄関に配置する
  • リビングなどの活動的な間取りに取り入れる活用する
  • トイレやクローゼットなどの方位に入れない

金運と間取りとの気が流れが良くな場合は、金運に見放されてしまう可能性があります。そのような場合は、人の動きや配置を見直す事で改善を実施することが重要になります。
 

幸運の方位はひとつだけ押さえること

人間関係や健康に影響するのは、幸運の方位による恩恵です。幸運は金運以外の全ての気の流れに準じますので、金運よりも重要事項となります。この際に間取りで重要なのは、寝室に幸運を配置することです。これが正しく行われていないと、せっかくの睡眠が凶へと変化する可能性がありますので、必ず配置には最新の注意を払ってください。特に玄関などの間取りに、気が流れると大凶とされ、その建物は凶相となります。良い幸運の使い方は以下の通りです。

  • 幸運の方位は必ず寝室を配置する
  • 仏間や神棚には幸運の方位を活用する
  • 玄関に幸運の気が流れないようにする

大きな問題が生じている場合、寝室と幸運の方位が良くないケースが多いです。このような場合、寝室とそこに流れる気の相性を調査し、最も凶が少ない環境を演出する方法が対策として求められます。
 

不運や災いを回避する

病気や対人関係(部下運も含む)の問題は、不運の気の流れの影響です。特に怖いのは、事故や死に関する悪影響を及ぼす可能性があることです。間取りとの相性で気をつけるべき点は、この災いをもたらす不運の気の流れを弱めることが重要になります。運気を気にする方は、金運や幸運力をアップして運を開くことに集中しますが、不運の気の流れについては重要度が下がりがちです。しかし、風水で最も重要なのは不運を少しでも弱めて、将来の災いを回避することにあります。その間取り対策として、以下の項目が挙げられます。

  • 不運の方位に玄関を配置しない
  • 健康問題を引き起こす方位に寝室を作らない
  • 災いの方位は倉庫やクローゼットをデザインして閉じ込める

大きな問題を抱えておられる方の多くのケースが、この不運の影響を強く受けている場合があります。適切な方位に、適切な間取りが配置されていない場合、引越しも含めた改善の必要がでてきます。