家相による玄関の違い
玄関は建物全体の運気の影響を左右する、重要な気の流れのポイントになります。その点では””家相と伝統風水”は共通した考えを持っております。間取りの玄関に流れる運気を活かすことが、人生をより良くするための重要項目であることは間違いありません。
しかし興味深い違いの現象として、”家相の思想”と”伝統風水の思想”では「玄関の運気」の扱い方の違いが、大きく異なる事です。間取り作りにおいて、気の取り入れ方の理論が、真逆になる現象が起きます。この違いは本当に面白い事例となります。
家相の考え方
家相学では「玄関は良い運気を強めるには、面積を広めたらよい」。非常に分かり易く、単純明快な理論です。これも非常に有名な考え方です。家相の「欠け」「張り」を強く協調し調節を行います。「欠け」とは、建物に対して面積が減る状態=引っ込んだデザイン。「張り」とは、建物に対して面積が増える状態=出っ張ったデザイン。この場合、『玄関』は運気の入り口の為、多くの運気を取り込む必要がある為、ワザと『張る』技法が知られています。
伝統風水の考え方
風水ではこの様に考えます。例えば、外で作られた運気は調和をもって『玄関(間取り)』に入る事が第一とされます。その理論の下では、『玄関』が出っ張っていたらどうなるでしょうか。ロウソクの火を想像してみて下さい。強い風が吹くと、ロウソクの火は消えてしまいます。巒頭派の考えでも、風による保護構造が示す通り、ある程度風から守られる必要があります。その為に『玄関』の風水による間取り・建築では、全く異なる理論を採用しております。
玄関の張りについて
立派に大きく前に乗り出した家相の『玄関』デザインは威厳をも感じさせます。間取りで『玄関』が出張っていると建物の内部の運気の面積が増加します。しかしその分、外の風は建物にぶつかり、その周りにある運気までも吹き飛ばしてしまうと風水では考えます。その為、風水では『玄関』に入る気が吹き飛ばされる事を心配します。風当たりの強い建物への心配があります。ただ日本で多く見られる実績のある家相の間取りでは、古民家で多く採用されたデザインとも言えます。日本で長年採用され続けているデザインでもあります。対照的な理論背景の違いになります。
当事務所では全く異なる理論・知識を用いて、最適な建築提案を行っております。