Last updated 2024-10-16
中庭の家相と風水との違い
太極と中庭の関係。正統派の本場中国風水術では、『中庭』は条件次第では吉相となります。多くの情報サイトでは建物(間取り)の中心は大事であり、重要視される内容が目立ちます。では正しい知識ではどのように考察するのでしょうか。その背景をみていきましょう。
2002年関西大学工学部卒。
Masaya風水事務所を立ち上げ後、企業・病院から一般の自宅まで、多岐にわたる風水鑑定を手掛ける。
家相の考え
家相学の教えでは建物(家)の中心は『太極』と呼ばれ、「五黄」が支配する場所です。「五黄=帝王の星」となり最も重要なポイントになります。その為、日本では『中央に大黒柱』を設置し安定の象徴としている家もあります。
それ程に家の中心が開く間取り、特に『中庭・回廊型』はこの力が抜けてしまうと考え、「一家の大黒柱が死ぬ不幸や幽霊が出る」とされます。実際、この理論を知っておられる大工さんや建築士の方が非常に多い事に驚かされます。その為、この構造は悪い間取りであると忌み嫌われます。
教えでは「五黄」は神聖なエネルギーである為です。「太極=エネルギーの中心」であり、一家の大黒柱(日本独特の考え)を示すモノであり、それが無い事は、一家の大黒柱が無くなる事と同然です。すなわち「主人の気」が無くなる事は危険となります。これが家相学の理論背景となります。
また現実的に中央が抜ける事で気が抜けやすい=気が貯まらないと考え、不吉の凶相とされ日本では忌み嫌われます。絶対にやってはいけない危険な間取りの凶相の代表例とされますが。。。
伝統風水の考え
伝統風水の理論では、異なる考えを持ちます。『風水の流派』の技術を使い、計算によって得られた結果次第では、
中庭は絶大な幸運をもたらしてくれる良い間取り!!になり得ます。
特殊な土地環境であったり、時間の経過による『悪い影響』を避ける際には、『中庭』は有った方が良いと考えます。風水師で有名な話として、家の中央をワザと開け、エネルギーを間取り・家全体に行き渡らせる事が出来ると考えるからです。
本場の有名な教えに『四合院(特殊な三合院もあります)』と呼ばれる技法があります。これは非常に有名な風水の手法の一つです。当事務所でも、数多くの回廊型(中庭のある家)をご提案、建設事例があります。
この内容について良く質問メールを頂くのですが、全てのケースにおいて有効という訳ではありません。特殊な土地のケースのみ、もしくは時間的な影響を考慮した上での判断となります事を、先にご報告させて頂きます。一般的には、採用されない事をおススメします。
四合院:有名な風水建築
古来の中国の家でよく見られる構造です。
これは敷地全体の中心に『中庭』を設けて、人が集まるようにデザインされた間取り設計です。意図的に「中庭」もしくは「スペース」を作り、気のたまり場と開放空間を演出します。その周りを囲むように建物を配置し、風水の運気が中に入り込み、全体に行き渡り活かされるようにデザインが施されています。正しい風水による良い間取り例ともいえるの独特の建築様式です(諸条件が整う必要があり、間取りの運気の計算と凶相の回避対策が必要になります)。
多くの土地を必要とするため、一般的には難しい手法ですが、『時間と環境』の条件があえば吉相になります。問題は、この特殊なデザイン構造が採用できる土地環境を見つけられるかがポイントになります。通常はこの『回廊型(中庭)』の建物は凶相を招く可能性がありますので、知識をお持ちの方にご相談されます事をおススメ致します(ただし、有効な場合は真逆の吉相となります)。
アップルの旧本社と現在の本社
グローバル企業:Apple。
シリコンバレーにあるその旧本社は、「四合院」に非常に近い間取りデザインです。土地の中心に大きく『中庭』をとる間取りデザインが確認されています。その他にも風水的に良い気が動く条件が整っております。素晴らしい風水建築の例とも言えます(一時期は倒産の危機もありましたが・・・)。
中央に気が貯まり、全体に開放される状況が見られます。皆さんもご存知の通り、Appleは世界的に繁栄を誇っています。その後、新しい本社が近くに建築されました。
その本社デザインは「宇宙船」のように丸い構造が採用されております。旧本社同様に、その中心(太極)は綺麗に空いております。気が解放されやすい構造です。それ以外にも、面白いデザイン・グランドデザインも隠されており、素晴らしい建築の一つです。
ただしこの『風水建築様式』はリスクもありますので、プロの風水師でない限り、採用は控えられます事をおススメ致します。また新本社にはガラスが多すぎる等の幾つかの問題も見られますので、今後の動向が注目されます。