巒頭派
風水の原型
風水の原点は古来より「お墓探し=陰宅」にあります。
古代の中国王朝では、風水の原型理論を用いた良い場所にお墓を建てる事により、祖先からのご加護受けられる。それにより、子孫である自分たちの代・国は大いに繁栄すると考えておりました。その為、巒頭派では環境を左右する『山水形勢』の関係がとても重要になります。基本は目に見える環境の全てで、美しい景色は多大なエネルギーを持って子孫繁栄をもたらすとされています。その定義が山水形勢とされ、「龍」「水」「気」「砂」「勢」「穴」「脈」の良さが、子孫繁栄に影響するとされています。また、この理論を応用したのが、『風水インテリア』の基本ともなる考えです(「間取り」等々です)。目に見える力でエネルギーを捉え・調節する考えです。
風水タブーの存在
『土地選び』だけの技術ではありません。目に見える形・デザイン・間取りの全てが風水吉凶を左右する判断材料となります。
経営不振と建築間取り
このビルは「元・新生銀行の本社ビル」です。
完成当時は、その斬新さから非常に有名になりました。しかし現在、このビルは解体され消滅しました。一体何故なのでしょう。これには風水の問題が隠されていたからです。答えは、このビルのデザインでした。本社完成からしばらく後、新生銀行は明らかな業績悪化を辿りました。そこで当時の社長は風水師を雇いアドバイスを求めました。しかし帰ってきた答えは「すぐにこのビルを出るべきである」でした。理由は明白で、このビルのデザインは『破財』を示していたからです。残念な事に、当時の社長はこの言葉を信用せずに風水的な応急処置のみ行い、使用し続けました。その結果、最悪な状況に追い込まれて本社ビルの売却に到りました。そして本人もまた退任に追い込まれました。建物のデザインもまた、風水では重要なポイントを占める事を示した良い例と言えます。
古典書より
『靑烏經』、郭撲の『葬経』
気は風によって散じ、山脈は水に遇えば止まる
気は風に乗じて則ち散じ、水を界すれば止まる
これらの解釈が現在の風水の基本となっています。気のエネルギーは常に動いており、その気のエネルギーが集まっている場所を読む事。これが巒頭派においての重要ポイントになります。私の鑑定の際は最初に、この巒頭派の観点から調査していきます。
大地と風水の関係
四神相応
日本でも、有名なのが『四神相応』です。四神とは古代中国の東西南北に存在すると言われている霊獣を示し、それらがある場所は、多大な気のエネルギーを受ける事が出来ると言うモノです。
- 北に玄武=大きな山
- 東に青龍=大きな川
- 南に朱雀=大きな平野
- 西に白虎=大きな道
この様に山と水の関係がうまく調和が取れた場所を、包起来(パオチーライ)といい、巒頭風水の一つの考えです。龍のエネルギーがうまく保護された状態を示しています。さらに付け加えたモノが、『三垣四獣』です。
- 北西に紫微垣
- 北東に天市垣
- 南に太微垣
日本では京都(平城京や平安京)がそれにあたる土地として有名です。ちなみに、この考えは大都市を形成する場合に用いられ、通常の陽宅では規模が大きすぎますので、参考までにご覧下さい。
有名な龍穴の土地環境
良い山水形勢
有名な、香港の『回顧顧祖』の地形です。香港のある九龍半島は、山脈にうまく囲まれるように水(平地)が存在しています。風水で良いとされる典型的な巒頭の観点からみた吉相です。龍脈(山脈)が幾層も連なり、大きな気を運びます。気のエネルギーは運ばれる方向からの力がと良ければ強いほどいいのです。いい風と保護構造を持つ最高の例です。香港の発展は、この龍穴(エネルギースポット)の保護構造によるモノであると、巒頭風水的な観点かでもはっきりと証明出来るのです。
- 駄目な土地と道の例です。これは、道のエネルギーが土地と家の方向に強く働き、エネルギーを押し出す為です。
- 吉とされる、水泡と呼ばれる土地と水(道)のあり方です。水が土地を抱え込むようになっており、エネルギーが集まりやすい構造となります。
陽宅風水の基本
家と道
日本でも有名な吉凶判断とされる一部の概念です。これ全て巒頭派風水の観点です。土地選びの参考として、エネルギーの流れを知る際にお使い下さい。土地は、水(道)に保護され、囲まれるように存在している事が吉とされます。但しこれには理気の概念が一切入っていない事も確認下さい。
ご注意下さい!!
この部分に関して多くのお問合せを頂いております。この例題はあくまでも一般的な参考例であり、環境と運気との相性が悪い場合は、凶相の土地となりますのでご注意下さい。
古代風水師の偉業
現在の風水流派の源流となっている風水師がいます。
『楊筠松』
唐の時代834年生まれで、別名は楊救貧。風水の知恵を用いて貧しい人々を救った記録が残る風水の祖師とされる偉人です。現在の流派の全ては、この楊筠松から伝わっているとされている伝説の風水師です。その楊筠松が手掛けたお墓が現在も残っており、巒頭派の勉強に最適な教材となっております。
風水の英知
『楊公壩』
楊救貧のお墓候補の一つとされている場所になります。風水の巒頭派では土地に別名(喝形)を用いる事があります。楊救貧の土地は『八仙下棋形』の土地に埋葬されたとあります。教えとして
「頭に八字の水を頂き、寒信嶂の地を踏む」
その様な土地は、代々王様を補佐する大臣を輩出するとされている土地の教えです。その土地にの詳細な場所については定かではありませんが、候補地はこことされております。
美しい川は土地に守られ『玉帯水』。多くの龍が起伏し、その勢いは本物であり有力。この土地のどこかに「パワースポット=龍穴」が存在しています。その判断知識として
①案山証穴
②楽山証穴
③鬼星証穴
④龍虎証穴
⑤纒護証穴
⑥明堂証穴
等々・・・
これらの条件・知識を総合して判断を行うのが、巒頭派風水となります。風水流派の中で最も高位とされる技術です。
明の長陵
1407年、明の初代皇帝:永楽帝(朱元璋)。その皇帝の為に作られた、真の『帝王風水』による皇陵です。
風水師の名門:廖家の末裔である廖均卿らによって選定・デザインされたお墓です。北京昌平県東の天寿山を背後に敷き、『癸座丁向』に墓相がデザインされております。これは、来龍に合わせた手法で、 日本でも有名な『子山午向(真南に向ける)』ではない方法が取られております。何よりも素晴らしいのは、巒頭です。「龍」「穴」「砂」「水」の全てが綺麗に揃っています。
天寿山からの龍を受けられる場所に『長陵』はあり、龍虎がこの力を守る役割を担っております。明堂は見事な程に唇氈されております。真のパワースポットです。力がみなぎる場所の選定の為の技術が、風水本来の姿であることを示してくれています。巒頭派の技術による、お手本となるお墓です。
風水建築と手
巒頭派は目に見える形により、運気を生み出す要因を測定する技術。その技術は一方で、建築風水にも応用されます。形そのものが、運気を生み出すと考えられる為です。その中で有名な建物として「サンテック・シティ(シンガポール)」があります。こちらの商業施設は、1995年に中国古来の教えに基づいて設計された有名な風水建築の一つ。
5つのビルは「お釈迦様」の手を示しており、 5本の指は陰陽五行を示しているとされます。五行はエネルギーの調和を示しており、中央の手のひらには気が貯まる「噴水」がデザインされております。
この「噴水は幸運の泉」とよばれ、観光名所になっています。 巒頭派はお墓だけではなく、通常の建物にも活用される基本理論です。